育児ワーク

子どもが小学生になっても時短勤務を続けられる?法律とフルタイム復帰の関係

子どもが小学校へ上がるタイミングで時短勤務が終了。しかし、そのタイミングは逆に手がかかるお年頃でもあり、今後も時短勤務を続けていきたいという声は少なくありません。保育園は延長に対応しているけど、小学校は延長できない。とはいえ家に1人で居させるのも心配…といったように、このタイミングでの時短勤務終了に思い悩むワーママは多く、これは「小1の壁」とも言われています。

子どもが小学生になっても時短勤務を続けられるのか?法律ではどのように定められているのか?これからの働き方をどうしていくべきか、考えてみましょう。

育児短時間勤務は子どもが小学生になるまで?

時短勤務は、原則として3歳の誕生日の前日までと定められています。しかし、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に対しての措置として、以下の努力義務が企業に課せられているのです。

  • 育児休業に関する制度
  • 残業の制限に関する制度
  • 短時間勤務制度
  • 始業時刻変更等の措置

これらが制定された育児介護休業法の及ぶ範囲は、小学校に入学するまでになります。

ワーママに立ちふさがる「小1の壁」

子どもが小学生になると、企業には従業員に対して育児への配慮が義務付けられなくなります。その小学校への就学タイミングは「小1の壁」と呼ばれ、多くのワーママを悩ませる問題になっています。そのタイミングで退職を考える方も少なくありません。

保育園のころよりも子どもが早く帰ってくる

まず重要な、子どもを預かってもらえる時間から押さえておきましょう。

  • 小学校1年生入学の初期:8時半〜12時まで
  • 小学校1年生の後期:8時半〜14時まで

入学してから徐々に学校の時間が伸びていきます。ただそれでも、14時には終わってしまいます。それ以降はどうしたらいいのでしょうか。

この後はどうするかというと「学童保育」というものがあり、学童保育では17〜18時前後まで子供を預かってくれます。しかし、学童の数は保育園よりも少なく、保育園よりも預かり時間が短いです。保育園は場所にもよりますが19時〜19時半近くまで預かってくれます。つまり保育園時代よりも早く帰る必要が出てきます

学校行事への参加や勉強サポートなど必要なことが増える

小学生になると保育園と異なる準備やイベントがたくさん発生します。

  1. 持ち物の増加:教科書・体操服・雑巾・筆記用具・ランドセルなど
  2. 平日の会合の増加:PTAの集まり・保護者会・授業参観など
  3. 宿題の発生:事前の準備物・宿題チェックなど

平日に取られる時間や準備、勉強を見てあげる機会が増え、働くママはさらに忙しくなってしまいます。時には半日有給などが必要になることもあるため、仕事の調整なども必要になります。時間単位で有給が取れる会社であればいいのですが、半日・1日という単位でしか取れない会社もあるため、調整は簡単ではありません。

子どもが病気になることは保育園時代よりも減る傾向ですが、忙しさは変わらず、むしろ新しくやることが増えたぶん、多忙になることが多いです。

小学生になると子ども同士のトラブルも増える

大きくなるにつれ人のコミュニケーション能力は高くなっていきますが、小学生になるとその成長は顕著です。コミュニケーション能力が高くなると、様々なコミュニティを形成し、グループ化が進むようになります。すると、よく発生するのが「いじめ」です。

子どものコミュニティはブラックボックス化することが多いものです。子どもとはコミュニケーションをたくさんとり、学校の話をよりたくさん聞く必要が出てきます。

フルタイム復帰を遅らせることでの職場への影響

上記の事情を踏まえると、小学生になってからも時短勤務を続けたいという話が出ることも納得です。しかし、企業には企業の事情があります。早くフルタイム勤務に戻って欲しいと思う企業は多いのです。その理由を紹介していきます。

職場の配慮が減り、周りの人とギクシャクすることも

子育てに支障がなくても、できるだけ時短を長く使おうとする社員の方がいると聞かれます。その結果、同僚への感謝の気持ちを欠き、人間関係がぎくしゃくするような職場も出てきてしまい、それがきっかけでコミュニケーションが悪化することも少なくありません。フルタイムに戻れるのになぜ戻らないの?と思う方も増えます。

スキル習得の遅れ

長く短時間勤務を続けている社員はスキルや知識の習得が遅れ、会社の期待ほど成長できないことがあります。フルタイム勤務者と比べ、責任感のある仕事を任される機会が少なくなるため、成長に差が出る人もいるとも言われています。人は困難をいくつ超えたかで、成長曲線が変わります。時短勤務は、その機会損失になるとも考えられているのです。

ただし、このような考えがあるのは長時間勤務を是とし、当たり前にこなしてきた文化が今で根付いていることが要因だとも考えられます。特に管理職や上層部には、そのような考えを持っている人が多いものです。仕事ぶりを時間単位で見るのでなく、成果単位で評価する考えが根付くことが必要にも思えます。

子どもが小学生になっても時短勤務を続けられる企業も!

そんな中、企業は少しずつ変わり始めています。様々な働き方が形成され、組織のダイバーシティ化が進み始めています。働き方を選べる企業が今後採用でも勝ち残っていくため、従来の働き方を見直す企業が増えてきているのです。結果、小学生以降も時短勤務を続けられる職場も大企業を中心に広がってきているので、その事例を紹介いたします。

 

クボタの時短勤務制度

クボタは世界で展開する、産業機械、建築材料、鉄管、産業用ディーゼルエンジンのグローバルメーカーです

  • 育児休暇:2歳まで取得可能かつ、7日間有給を取得できます。
  • 短時間勤務:小学校3年終了まで取得可能かつ、1日2時間以内で取得できます。
  • 看護休暇:小学校3年終了まで取得可能です。1名6日・2名以上12日までとされています。
  • 学業サポート休暇(独自の制度):学校行事(授業参観、入学式、PTA、卒業式等)への参加が可能です。学校事情により休校になった場合も可能みたいです。小学校6年終了まで取得可能。人数関係なく5日までとされています。

 

カカクコムの時短勤務制度

カカクコムは「価格.com」や「食べログ」を運営する日本の大手インターネット企業です。

  • 育児休暇:最大で子供が3歳になる年の年度末まで取得可能です。
  • 育児短時間勤務:最大12年間取得可能です(小学校卒業まで)。コアレスフレックスタイム制の選択が可能(定められた労働時間を達成しさえすれば、毎日の労働時間をほぼ完全に自由に決められる制度)。
  • 子供の看護休暇:年間10日とし、内5日は有給休暇が可能。子どもが複数いる場合は年間20日とし、内10日は有給休暇が取得できます。
  • 家族手当(管理/高度専門職層を除く一般社員対象):扶養する18歳未満の子供1人目5,000円・2人目10,000円・3人目以降15,000円を支給する。

 

Yahoo!の時短勤務制度

Yahoo! JAPANを運営する、ソフトバンクグループの大手インターネット企業です。

  • えらべる勤務制度:小学生以下の同居の子を養育する従業員、および家族の介護をしている従業員は、 本人からの申請があれば土日の休日に加え、1週あたり1日の休暇(無給)を与える制度。
  • 育児短時間勤務:子どもが小学校を卒業するまで、1日の所定労働時間を5時間までに短縮できる。
  • 育児時差出勤:子どもが小学校を卒業するまで、1日あたり1時間半までの時差出勤が可能。
  • 子どもの看護休暇:小学校就学前の子ども1人の場合5労働日以内、小学校就学前の子ども2人以上の場合、10労働日以内で休暇が可能。
  • 配偶者の出産に伴う特別休暇:出産予定日の1週間前から出産日の後1カ月以内で3労働日以内の特別休暇が取得可能。

 

東レの時短勤務制度

合成繊維・合成樹脂をはじめとする化学製品や情報関連素材を取り扱う大手化学企業です。

  • 育児短時間勤務:子どもが小学3年生の年度末に達する迄の間、15分単位で最大2時間/日の短縮が可能。フレックスタイム制度との併用が可。
  • 看護休暇:子どもが小学3年生の年度末に達する迄の間、1子につき5日/年の休暇を取得可能。前年度未取得分の次年度繰り越しも可能。
  • 在宅勤務制度:小学3年生の年度末に達する迄の子どもを有する者または要介護状態にある対象家族を有する者で、一定の要件を満たす場合、利用可能になる。制度利用者として認定された者は、2日(15時間)/週かつ6日(45時間)/月を上限に終日利用の時間単位での利用の双方が可能。

上記のようにいくつかの組織の事例があり、小学生以降の短時間勤務制度は広がりつつあります。しかし、まだまだ大企業が中心です。中小企業は人材不足もあって、なかなか柔軟な制度設計ができないのが現状です。しかし、いま求職者から選ばれる企業はとは、多様な働き方が選べる企業です。中小企業でも様々な施策を試みる企業は増えています。

もし自社に上記のような制度がない場合は一度人事に話してみることをおすすめします。話しても厳しい場合は、短時間からできる派遣やパートという選択肢もあります。フレキシブルな働き方を実現し、しっかりと子供と向き合う時間を作るために、短時間派遣・短時間勤務を検討してみてはいかがでしょうか。

短時間ワーク

まとめ

  • 子供の帰宅時間の早まり、学校行事への参加、宿題の確認など、保育園のころよりやることが増える「小一の壁」
  • 時短勤務を伸ばすことは、人間関係とスキルアップに悪影響を及ぼす可能性がある。
  • 小学校の入学以降も育児をサポートしてくれる企業事例はたくさんある。
  • 今の会社以外にも、働き口はたくさんあるので、働き方を優先に仕事を選ぶのも一つの手段。

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